みゆきの日記
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昨日は少し早く帰ってきたトモユキと、なんだかつまらないことで口論になってしまい、
「パパとママ、喧嘩しないで。ナコのほう見て!」
と言って止めようとする菜子を、大人になったなァ、と感心しつつ、
(「喧嘩じゃないのよ」と言ったら「は、は、はなちあい?」と言うので驚いた。 テレビで『アネムちゃん』がそう言っていたのを覚えていたらしい。)
お互い譲ることなく深夜まで持ち込んでしまい、 夜中にとりあえず謝ったけど(私が悪いとは思ってないけど)、 「もう遅い」とか言うのでまた頭にきて、 今朝は、結婚して以来初めてキスをしないまま行ってしまった。
どんなに喧嘩をした翌朝でも送り出すときにはやっぱりキスしてたのに。 こんな風にして、ちょっとずつ離れていくものなのかなぁ。 いつもどおりエレベーターのドアが閉まるまで見送ってから、 (トモユキは振り向きもせずに乗り込んでいった) バタンとしまったドアのこちら側で、それほど悲しい気持ちにもならずに、 ただ、あーあ面倒くさいって思っている自分に少し動揺する。
ちょっとトモユキも疲れてて余裕ないのかも。 でも私にだって譲れないことくらいたまにはある。 それでも。譲らなくてはならないのかなァ・・・。 『譲れない』なんて、どうでもいいつまんないこだわりでしかなくて、 それが彼を傷つけるんだとしたら・・。
私もちょっと虫の居所が悪かった。トモユキもたまたま余裕がなかった。 ただそれだけのことだと思うのに、 なんだか、美しい窓の外の景色や、いつもは親しみを感じるすっきりしたリビングも、 寒々しく感じて孤独だ。 こういうとき、異国にいることを殊更に孤独に感じる。 私と菜子には、もうトモユキしかいないのに。
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