みゆきの日記
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柴田さんに会う日がどんどん迫ってきていて、 私は結婚後、初めてトモユキに致命的な嘘をついた。 もうやめよう、やはり会うのはよそう、と何度も思い、そのたびにほっと安心した気分になる。 子供がインフルエンザにかかったとかなんとか言って、キャンセルしてしまおう。 そう思って気が楽になっているはずなのに、そんな言い訳をすることもなく今日になってしまった。
明日の今頃は、東麻布の万暦●●堂にきっといるんじゃないかと思われる自分を思い浮かべて、 わくわくするやら、ぞっとするやら。。 お店は結局私が悩みに悩んで選んだ。 あまり高いお店じゃないほうがいい、柴田さんは普通のサラリーマンなんだし、と思ったり、 それでも40代も後半に入ったエリートサラリーマンなのだから、 若い子向けの居酒屋じゃ気の毒だと思ったり。 あれこれ思い悩んで、雰囲気のあるいい店を選んでみた。
このデートが終わった後、私には何が残るんだろう? むなしさ、罪悪感、それとも物足りなさ? いずれにせよ、私にとって良いことは何一つないような気がする。 今からでも遅くはないんじゃないか・・何度も思っている。 踏みとどまること・・できるだろうか?
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