2000年12月02日(土) |
今世紀最後のアレ。(後編) |
(前回のあらすじ) 昨日の日記を読め。
コタツで眠ってしまった二人。 数時間眠っていると、おれは体が熱くなって、頭もふらふらしていたので、布団で寝ることに。 カホさんにも布団を勧めて、また寝る。
説明しておきましょう。 ここは弟の部屋ですが、弟の部屋は離れ?にあります。 本家?にはおれとおれの両親、もう1人弟が生息しています。 離れには弟とばーさんが住んでいるのですが、現在はばーさんは入院中。 弟は家を出ているので、事実上無人です。 弟の部屋はその2階で、3部屋。ばーさんは1階で2部屋あります。 トイレは1階に設置してあります。 説明終了。
さて、2人とも熟睡ですが、しばらくするとおれはもよおしてきました。 人間の生理現象ですね。 ましてや、酒を飲んだ後。 時計をちらりと見る。「9時か・・・」 トイレに出かけます。 階段を下りて、廊下を歩く。 右手にトイレ確認。 トイレに侵入し、ドアを閉めます。 そして・・・。 用が済みました。 流して、手を洗います。 「ふぅ・・・」 ガチャッ・・・。
・・・・・・。
ガチャガチャッ!
・・・・・・。
ガチャガチャガチャッ!
・・・・・・。
開かない。
そうです、ドアが開きません。 「なんだぁ、カギかけてたんじゃん」 そんなオチ違います。 酔っ払ってるから、ノブのひねり方を忘れた?ノンノンノン。 よく見てみろ、それはノブじゃなくて、水洗レバーだ!違います。
ノブをひねってもびくともしないのです。 「助けてくれ・・・」 かすかに漏れる弱々しい声。 最後に確認した時計の針は9時を指していた。 本家には誰も残っていない時間。 大声を出してみても、空しいだけです。 カホさんが気付いてくれるかもしれないが、どう考えても熟睡していた。 てか、自分ちのトイレで閉じ込められてるなんて夢にも思わないでしょう。気付かないでしょう。
お釈迦様でも気がつくめぇ。 ちょっと江戸っ子風に悪ぶってみても何の解決にもなりません。
「おれはここで死ぬのか・・・志なかばにして」 何の志も抱いていない男のたわごとも空しいだけ。 「あしたの3面に載るかなぁ。トイレで餓死」 そうなったら、この日記に書き綴っていたアホなことが話題になったりするんだろうなぁ。 おれのHN(すぱ)とかもニュースで公開されて、全国の人がYahooで検索かけるんだろうなぁ。「ネオ○茶」みたいに。 あ、でもカウンターはうなぎのぼりだね、うん。
最悪、午後4時には母親が帰ってくるので、そのときに助けを乞うか、もしくはあと3、4時間も閉じ込められていれば、不審に思ったカホさんが気付いてくれるかも。 だけど、おなかすくよ。 昨日、おつまみをいくらか口にした程度なんだぜ。 ・・・。
水ならあるじゃん。
ブルブルブル・・・。 悪魔の声になぞ耳をかさんぞ。 人間の品位を失ってたまるか!
とにかく、脱出しなければ。 やっきになって、ノブを回してみる。 ガチャガチャガチャ! ・・・。
ノブとれた。
取り外してどーするよ、おれ。
窓を発見。 とっても小さい窓。 通風孔の役目程度しか果たしていない窓です。 少しさびついたその窓を無理矢理こじ開けて、さらにおれの体を無理矢理押し込んで脱出しました。 多分、おれの体じゃなきゃここからは出られなかったぜ。
見事生還いたしました。 英雄扱いしてくれてもかまわんよ。
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