トキコさんは48歳。149cmとやや小さめ、顔はモンゴル系と言われる。 夫は貴金属職人、2歳年下である。 最近48年が何であったのかをよく考える。 友人は多いほうだが、そういう話はしない。 夫はそういう話とは無縁の人である。
トキコさんはパート勤めをしている。 自宅の近くにあるスーパーだが、トキコさんはそこのチーフが嫌いであった。 よく歳のことをからかわれるし、何よりも彼のことをセクハラ男だと思っているからだ。 とにかく言うことがエッチなのだ。 戦後まもなく生まれたトキコさんは、元来そういうこと話が苦手であった。 それを見越して、そのチーフはその手の話をする。 そこが嫌いなのだ。
トキコさんは犬を飼っている。 小さなお座敷犬だ。 生まれて二ヶ月の時にもらってきたのだが、最近気になっていることがある。 性欲が旺盛なのだ。 ほとんど毎日腰を振っている。 トキコさんも最初は「こんなもんだ」と思って気にしていなかったのだが、例のセクハラチーフに「それは異常だと言われてから気になりだした。 そのことがあってから、その最中に思うようになった。 「頼むから私の腕を使ってしないで欲しい」 ちなみにトキコさんは指も貸している。 (2000年作)
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