先日、関連会社の女の子が、 「来週から富山に行かなければならないんですよ」と言っていた。 「富山…、仕事で?」 「そうなんです。何回か行ってるけど、あそこ遠いんですよ」 「北陸やけね」 「ええ」 「富山といえば、今でも薬売りとかおるんかねぇ?」 「えっ、何ですか、それ」 「富山の薬売り知らんと?」 「ええ」 その子はまだ20代前半だが、いちおう短大も出ているので、単なる世間知らずと思っていた。 ところが、後でその世代の人間に聞いてみると、みな口裏を合わせたように「知らない」と言うではないか。
そういえばこの間、酒井法子が保釈された時に21歳の男子社員が、「ぼくは今回の事件で、初めて酒井法子を知ったんです」と言っていた。 彼は『ひとつ屋根の下』も『星の金貨』も知らないらしい。 まあ、芸能人を知らないというのは、世代や好みというのも関係するわけだから、知らなくても別にかまわない。 だが、富山の薬は地理や歴史で勉強した、つまり常識とか知識の範疇だろう。
このままでいくと八幡製鉄所なんかも、「何ですか、それ」なんて言われるようになるだろう。 せめて郷土の歴史ぐらいは知っておいてほしいものだ。
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