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宮部みゆきさんのお江戸のホラー短編集です。 ハロウィーンになんでお江戸の怪談なんだ!とお思いでしょうが、 北村薫先生と一緒に怖い短編で盛り上がったり ご自身でホラーアンソロジーを編んだり (ミヤベ式だと「テラー」ですって) 欧米ものの怖い短編が大好きなミヤベさん、 きっとご自分でもクラッシックで寒気のするような怪異譚を いろいろ試してみたかったのでしょうね、 ひゅ〜どろどろの江戸怪談とはまたちょっと異なった雰囲気です。 理不尽で説明不能の怖い怪異、 異界のものとのしみじみとした交流、 あやかし以上に怖いヒト、子供達の冒険成長譚、 ショッカー、心理ミステリ等、 舞台はみんなお江戸ですが、お話はバラエティに富んでいます。
全編を通して変わらないのは、日々をつましく真面目に働く 江戸の庶民のすがすがしい生き方と、 人(場合によってはヒトでないもの)とのちょっとした心の通いあい。 だからこそ心の通わない相手はそれがヒトであっても ヒトでなくとも限り無く恐ろしい。 そういった怖さのネタが、ホラーになるか、 ミステリになるかは、作者の心一つ。 結局超常的なものではなかったけれど、 妖異の哀しみの残るある一編などは、茂七親分シリーズの一話として映像化して欲しいなあ。
そうそう、なんでこの本を日本の怪談の季節に紹介しないで ハロウィーンに紹介しているのかと言うと。 出るんですよ、お江戸にも。 夜のカボチャ畑と化け物と子供を守るカボチャの神様。 (ナルシア)
『あやし』 著者:宮部みゆき / 出版社:角川文庫
2002年10月15日(火) 秋休みのお知らせ。
2001年10月15日(月) 『ハロウィーンがやってきた』
2000年10月15日(日) ☆ 女王に薔薇を。
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管理者:お天気猫や
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