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表紙はなんだか不似合いなほど明るいけれど、 一歩ページにふみこむと、そこは月光の世界。
原書はアメリカで1947年に出版された。 ブラウンは1952年に42歳で夭逝した作家・詩人。 亡くなる5年前に書かれたこの絵本は、うさぎの子どもが、 自分の小さな世界のすべてに、おやすみなさいを言う というシンプルなつくり。
部屋の中に掛かっている絵のひとつ、 お月さまを飛びこす牛は、マザー・グースに出てくる。 メアリー・ポピンズでも、この牛が活躍していた。 うさぎの子は、この絵の牛にもおやすみを言う。
はっきりとしたものから、 ほとんど感じるだけしかできないものまで、 この子の小さな世界すべての、いとおしいものに。
この子の部屋には、おばあさんはいるけれど、 お母さんもお父さんも兄弟もいなくて、 そのちょっとさみしそうな色合いが、 私たちの回想をつっつく。
そういえば、うちの家は、ずっと誰もが 「あいさつ」をしない家だった。 私は「おはよう」を元気に言うには低血圧すぎたので、 「おやすみなさい」だけは、先頭を切って言っていた。 今思えば、寝かしつけてくれないまでも、 ちょっとそこに親をひきとめたかったのだろう。 それもあの頃だけの習慣で、 やがて誰も言わなくなったのだが。
ブラウンは『小さな島』でコールデコット賞を受賞。 姉妹本に、『ぼくのせかいをひとまわり』がある。 (マーズ)
『おやすみなさいおつきさま』 著者:マーガレット・ワイズ・ブラウン / 絵:クレメント・ハード / 訳:瀬田貞二 / 出版社:評論社1979
2003年01月30日(木) 『魔女とネコの家さがし』
2002年01月30日(水) 『草原のサラ』
2001年01月30日(火) 『黒い仏』
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管理者:お天気猫や
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