春が近い。花粉症ではないにせよ、どうも目がむずがゆかったり、肌が荒れたりするので、そのことがわかる。夜の空気も春が近いことを告げている。冬のような、蛇口から出る水の冷たさではなく、湯船の水が一晩たってすっかり冷えた、そんな冷たさである。さっき電車で向かいに座っていた女性は、どうも合格発表の帰りだったらしい。マルイの袋から「新入生のみなさんへ」と書かれた冊子が透けて見える。その中の1冊を読んでいるようなのだが、緊張した顔で真剣に読んでいるのが微笑ましい。