Kin-SMA放言
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2003年01月26日(日) 本日の木挽町、さすがに札止め

千穐楽が日曜となっただけあって、当日券売り場は長蛇の列。まぁ、今月の昼の部は、前売りの売れ行きも久しぶりにすごかったらしい。
演目として目新しさはなかったのだが、やはり・・・コレだろうな。

『京鹿子娘道成寺』by玉三郎

もちろんぼくのお目当てもこれで。
列に並んではみたが、売り切れギリギリの順番だったんだけど(だからもっと早く起きろってのに)、運良く「友達が来られなくなった」という株主様(!)から株主招待券を安価で譲っていただいた。ラッキv
(ちなみに、歌舞伎座の株は今1株600円ぐらい。5000株ごとに毎月1枚ずつ招待券がもらえるそうだ。その方は、3枚切符をもっていらしたから・・・お金って、あるところにはあるのね・・・)

で、せっかく譲っていただいた一等席で、序幕『出雲の阿国』は爆睡(←ゴラァ!)。だって、つまんないんだもん・・・意欲は買うけど。
山三が菊坊(菊之助)なのに寝てしまったことに、我ながらあきれた。
これがね、新之助(まぁ、今年は芝居出ませんがね)の山三に菊之助の阿国だったらわかんなかったけど。“歌舞伎界のKinKi Kids”ですから←言ってるのはわし一人だが(笑)

ただ、最近の菊坊、目バリの入れ方がなんか変で可愛くない。お父さん、注意してくんないのかなぁ?(お父さんは目バリの入れ方がめちゃめちゃ上手)

福助に関しては・・・別にな〜んもありません←冷たい

『矢の根』by三津五郎
あ〜、正月ですね(そんだけかよ)。
これはもう、松緑(って未だに違和感がある。辰之助は辰之助だ! もしくは“嵐くん”だ!)が左近時代にやった国立劇場のが、ぼくの中では「これこそが『矢の根』」で。去年の浅草のよりも、良かった(おそらく「美化された記憶」にすぎないだろうが)と思う。
彼の“動く五月人形”のイメージを決定づけたのがこれだった。
ちなみに、松緑はぼくの中で、もりんとキャラがかぶる。ぱっちりした目元にどことなく憂いが宿っているところに、ショタ心がくすぐられる←やっぱそれかよ
むろん、そう思っているのはぼくだけで、「似てない?」と訊いても、たいていみんな「えー?」と言うが。

あ、三津五郎の話、全然してないですね(笑)←おっさんにはホント冷たい

『京鹿子娘道成寺』
はい、きました。本日のメインです。
道行はもちろん、雀問答あり、乱拍子ありのフルコース(押戻しこそ出なかったが)で、気合い入りまくりの玉さん。
こっちも気合い入れて、全編オペラグラスから目が離れず、超ガン見。穴が開くほどガン見。まぁこれはいつものことで、前に一緒に見ていた友達から、
「ておさん、微動だにしないで見てたね」
と笑われたこともある。
でも、このところ、たとえ玉さんでもすこーしうとうとしたり(場内が暗くなる演目とかでは・・・)してたりした。

だが、今日は、すごかった! なんか。

おそらく玉さん自身も、いつもと違ってたんじゃないかと思う。
賛否両論あると思うが、花道の出から既に だった。
もぉ〜、全編 だった、に見えた。

玉さんの踊りは、いつも「博多人形に何かが乗り移って動き出した」て感じなんだけど、今日は(今月は、か?)「清姫の霊」なのか「白蛇の霊」なのか分からないが、とりあえず「人間ではない」何かだった。
うねうねくねくねと動く上半身と、重力を感じさせず、すべるように移動する下半身(ただ、後半ちょっと「今日はおみ足の調子が・・・?」てとこもあった)。そして、体温を感じさせない陶器のような美貌。
これらは別に、今日初めて見たわけじゃないんだけど、今日はさらにものすごい“気”のようなものを感じた。

たしかに、たしかに賛否両論あると思うが(くどい)、他の人なら「おぼこ」で演るはずの「言わず語らぬ〜♪」のところから既に面妖な、といってもいいほどの色気が。考えてみればここの詞章は「郭唄」なんだから、色っぽくていいんだよねぇ? ね?(自信なし)

いわんや「恋の手習い」になると、「これで落ちない男がいたらホ○だ!」つーくらいの、危険さ(あれ? ・・・逆か?)。
「恨み恨みて〜♪」のところは、むしろ玉さんのネックで、いたずらに美しすぎるだけに、怖い顔すると、そこだけ強く印象に残ってしまうのだが、今日は意識して抑えているかに見えた。

あとはもう最後まで突っ走り。ふう〜。出るのはため息ばかり。

先月も『紅葉狩』で美しい玉さんを堪能したはずなのに、なんで、なんで今日はこんなにしびれてしまったのだろう・・・?

単に席が良かったからか?(さすが株主席)←今までの賛辞が、すべてぶちこわしやがな(泣)

そんなことはない。

もうこれで帰りたいよ! というくらい余韻に浸っていたかったのだけど、次の『濱松屋』も、マイ ベスト フェイバリット狂言だしなぁ、と、かろうじて思いとどまったのであった。

『白浪五人男』
菊パパ(菊五郎)&成田パパ(團十郎)という、こなれた配役での弁天小僧。ところが成田パパ、調子(のど)やられてた! 風邪か? 声の使い方を失敗したのか?(まさか、このキャリアで・・・)
夜の『助六』が俄然心配になったが、さすがに当日で観る元気はなく。どうだったんだろ・・・?

成田パパの声が気になった以外は、皆さん「お手のもの」。新しい発見もなかったが、全く退屈もしなかった。
それより、性倒錯マニア(こ、こら)にはたまらんこの狂言。早く菊坊&松緑で観たいものだ。想像しただけで萌えるってもんだ(あのー、もしもし・・・?)
でも、そんなに早くなくていいよ。松緑のセリフ、心配だから(失礼!)。
昔『演劇界』で、若かかりし菊五郎と先代辰之助(パパ同士ね)の弁天と南郷が手をつないでいる写真(きゃ♪)を見た時、
「あぁ〜あ、何でぼくはもっと早く生まれなかったんだろう?!」
と、七転八倒した覚えがある。
見たかった・・・切実に見たかった・・・(その後、「芸能花舞台」で見れたvvv)←でも、生とブイとでは違うもんなぁ・・・

『勢揃い』は、ぼくにはどうでもいい、付け足しみたいな幕だった(・・・)。
ここに菊坊と松緑が赤星&忠信利平で出てたんだけど、他の3人とアンバランスだよ〜。
とりあえず菊坊、化粧を何とかするように←偉そう




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君も狙っているのか? 元ジェンヌ妻を!
・・・ありえないとは言いきれまい(笑)


ておどる 【2006年以降に書いた日記はこちら】てくてくミーハー道場