慣れなのか元々なのか、人前で下着みたいなかっこうで歌をうたうのも
ちんどん屋さんになって街を練り歩くのも、全然恥かしいとは思わない。
それは趣味や心の奥深い欲求ではないからね。
人前である、ということが前提にあって頭で考えたことだから。
しかし実母なんかには恥かしいことなのね。自分がやる以前に娘がやる
のを知り合いにみられたくないくらい。
まあ、恥かしさの種類が違うけど。他人に軽蔑されるかも、自分より下
の人間だと思われるかも、って恥かしさなんだろうね。
つまり、ちんどん屋や芸人を手をたたいて喜びつつも普通とは違う堅気
で働けないヒトたちって差別する気もなく区別しているんでしょう。
その「違う感」がないとたしかにいわゆる少し面白い素人になっちゃう
し、芸術家みたいに扱われたいとも思わないけど。
馬鹿にするなよ、と。
CDの仕事だったりすると、すご〜い、って言うしね。
しかし母のような人々にそういうことを説明したり、まして分かっても
らおうとしたりするのは一生の仕事で、ついそんな暇あるかい、と放っ
ぽり出してしまうのです。
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