かなり昔に読んだマンガのモノローグをふいに思い出した。 「呪いのことばが口をついてでるのは許せなかった」 そうだから必死に奥歯をくいしばった。それは許せなかった。 でも一度噛み殺したことばはめったなことでは吐き出せなくなること をその時にはわからなかった。
人生にはアタリハズレがあって、時々このモノローグをおもいだす。
歌のなかには、愛や恋や夢やそんな若若しくてキレイなもののほかに 恨みや呪いやどうしようもないベットリ濡れたような思いを歌ったもの があって、世界中にあって、それは歌えないひとの噛み殺したことばみ たいなものかも。そんな歌はこのモノローグのようにふいに耳をかすめ て、ひとは突然涙を流したりする。
だからわたしはコドモよりずっとオトナのほうがすき。
|