痒痛 ☆ 日記 
お酒と音楽と変人と。菫色の日々。

2012年01月05日(木)  燐寸をください

もう十何年も正月は箱根!
と、駅伝押しのわたくしですが 実は
もう十何年も寝過ごして1区と6区はライブで見たことがないのです。
どうがんばっても、2区の途中と7区からしか見られないのです。

まあね、1区は別にいいんだ。
団子状態からだいたい予想通りに先頭グループ 第2 第3集団が形成されて、たまに予想外の学校が最終グループにいたりするけれど、
レースが動き始めるのは花の2区からでしょ。
よくTOPの逆転が起こる6区の山下りが見られないのは箱根ファンとしては痛いところですが、
今年は5分をひっくり返せるとは思えなかったし、起きたら予想を超えて差がひらいていた。

神奈川大のギリギリの襷リレーも、10区の中央の変態走りも、5区東京農大の40分の大ブレーキも、
きっと色々なひとが書いたり呟いていると思うのでもういいや。
それにこういうドラマは二日間、10時間以上に渡るレースの中で起こるからこそ鮮やかなのですよ。
そして箱根じゃなければ大学生が入れかわり立ち代り10時間以上走っている画面を見続けられる自信はありません。
箱根にはなにかがあるのです。
4年続けてみると、ある種の人々はその何かにはまると思います。

あ、一つだけ 東京農大の応援団は5区のランナーがゴールするまで、30分延長して
大根踊りを踊り続けたそうです。
当然テレビに映ることもない。
ランナーにも見えない。
馬鹿みたいだ! でもそれが箱根なのだ!

あ、もう一つだけ。
今日ゆうちゅぶで、1区のスタートの映像をみたのですが、
発走前の、OBと思われるオヤジ達のだみ声による、
「XXいけー」「○○いけるぞー」「△△走れー」
『×× ○○ △△ がんばれー』
の掛け声というか応援というか叱咤激励というか、むしろ叱咤というか。
何分も聞いていると、呪いのようにも脅しのようにも聞こえてきます。
必ず選手の個人名が最初につくのも怖い。
ああ、伝統は重い。
根っから文系のわたくしは、高校の演劇部の夏合宿に何期も上の代の、
もう大人なOBやOGが参加してくれるのが、ありがたくも気が重かった。
伝統はぜんぜん無いけど長い活動歴だけはたぶんどこにも負けない
劇団とも言えない劇団 発見の会も、
古い長いタニマチのようなお客さんや元関係者が沢山あつまる打ち上げが、
ひたすら重く苦痛であった。
体育会系は違うのかな。
この重圧も上へ向かう力になるのかしら。
そしていざ就職ともなれば、この重くて濃い繋がり すなわちコネと学閥が太い樹のように根を張り、
日本の企業を形作ってきたのでしょうか。
はっ・・・ 箱根からズレてしまった。
見る人によってはちょっと気持ち悪い光景を見なくてもすむように、
やはり正月二日くらいは寝過ごして1区を見逃してもいいかな。

でもOB・OGの熱い応援・協力が大事であることはわたくしも分かっています。
アマチュアスポーツ、学生スポーツ、部活動は寄付がなければ上を目指すような活動はできないよ。



今日はもう一つ言いたいことがある。
箱根とは全く関係ない。
ライターのことだ。
昨年?から100円ライターは、子供のいたずら事故防止のために簡単に火がつけられないよう細工をしないといけないことになった。
細工の方法はメーカー任せだったようで、出始めの頃は
小さな隠しスイッチがあったり、いったん逆にスライドさせたり、真下ではなく重心を右ずらして押さないと付かなかったり、
説明書を読まないと何十分弄くり回してもつけ方が分からないような
知恵の輪ライターが何種類もあった。
説明書もライターに貼り付けられる大きさのシールだから、
はっきり言って、近くの小さな字が見えにくくなった老眼組には意味のないものであった。
いろいろクレームもあったのだろう。
最近この事故防止の細工が一番簡単なものに統一されつつある。
すなわち、小さな子供の指力では着火できないくらいにスイッチの押し込みを重くする というものだ。

んが、あまりに重い。
わたくしは手術の後遺症と薬の副作用で握力が極端に弱くなった。
末端への血流障害もあり指先の力も弱い。
ちょっとでも手が水に濡れていたり、ハンドクリームの油分が残っていたりすると両手を使ってもスイッチを押し込めない。
なんだかんだ自力で日常生活をこなせるわたくしでさえ腹がたって何度もクソ重いライターを床に叩きつけたりしている。
お年寄りや病気でもっと手指の力のないひとには無理なのではないか。
先日あまりに重いライターを買ってしまい、風呂上りにどうやっても火が着けられず、クソライターをゴミ箱に叩き捨て、
わざわざ暖かい格好に着替えてコンビニに徳用マッチを買いにいった。
マッチはいい。
特に国産のマッチは軸がおれたり先端の燐がまばらについているというようなことがない。
スッと擦れば絶対に一発で火がつく。
バリ島のマッチは3本に1本くらいは折れた。
でもラベルはどれもとても可愛いかった。
いやいやライターのことだった。
ここ数年、喫煙者の肩身は非常に狭くなったがまだまだタバコを愛する人間は沢山いる。
お年寄りや病人だってタバコを吸う。
100円ライターなんてほぼ喫煙のための道具だ。
なのにタバコを吸ういろんな層の人間のことを考えていない。
子供のいたずらによる火災事故は悲劇だが結局は大人のモラルの問題だ。
でも、事故防止のために製造に規制をもうけ、少し工夫することで防げるのならその方がいい。
でもでも、その工夫が 
小さな子供が使えなければそれでいい
面倒な細工より一番簡単な方法がいい
で終わってしまったらその工夫を使いこなせないものは弾かれてしまう。
バリアフリーとかユニバーサルデザインとかいったお題目はどこにいったのだ。
しょせん喫煙者 体に悪いんだから老人や病人は吸うな ってことですか?
やさぐれちゃうよ。
ライターの会社は喫煙者の味方ではないのかー。


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