虹色過多想い
2005年03月30日(水)  千切れても千切れても愛

【君恋ふる心はちぢにくだくれどひとつも失せぬものにぞありける】
------和泉式部『後拾遺和歌集』

あたしの好きな短歌に、上のひとつがあります。
平安時代の歌人和泉式部の歌。

------あなたを恋しく想う心は千々(バラバラ)に砕けてしまっていても、その欠片はひとつもなくならないでいて、やっぱりあなたが恋しいままなのです・・・って意味。

初めてこの歌を知った時に感動した。
あぁ、本当にそうだなととてもとても共感した。
千年前の人の想いに共鳴できることに感動した。

好きな人への想いはいつも真っ直ぐでありたいと思うけれど、時々悲しくなったり、傷ついたりしてその愛は、心はボロボロになる。
ぱりぱりと割れる。
そんな時、もう嫌だと思うの。
こんなに痛いのは嫌だと。
苦しいのはもうごめんだと。

でも、好きな人を想っている心の欠片はひとつもなくならない。
もう嫌だと想っても捨てられない。
だからまた、その人のことを真っ直ぐ愛せるようになる。
千切れた心はそのまま、ここにあるから。

千々に砕けた心の小さな1ピースでもどこかへ行ってしまったら、もうその心は完璧なハートには戻らない気がする・・・。
だからあたしは何度傷ついても、砕けた心を全部拾い集める。
どんなに嘆いても悲しんでも変わらないの。
愛する気持ちはずっとずっとここにある。


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