+シコウカイロ+
此花



 真実

回る 羽の音に
夏の夜は更ける
窓から吹く涼しい風は
蒼い幻灯の中の月明かりに照らされ
薄い色をつけて
アタシの部屋に流れる
揺れる紐を
ゆらゆらと足で蹴飛ばしながら
クラシックを聴いている

アシタのアタシはどこかに隠して。

暗闇の中を目を凝らせば
そこにあるのは光のカーニバル
チカチカと変わる色彩に
いつしか夢の中へ迷い込む

キノウのアタシはまた旅に出したの。
たまに思い出の箱を荒らしに来る。

現実は遠い気がするよ
今はこの夢の中の方が真実な気がするの
ここでは繰り返されるけれど
好きなものが見えるもの
だからとっても嘘クサイけどね

偽善が横行する世の中だけど
わかってるのよ
必要だって事も。

要らないものなんて
何一つない。
いずれ君と出会うためのモノのの
全ては前座なのだから

目に見えるものだけに
惑わされないで。
君の心で感じ取るものが
君を構成する。

君を美しくする。

君が信じたいものがすべて。
それを貫くことが君だけの真実になるから。





2001年03月19日(月)
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