+シコウカイロ+
此花



 煌。

死んだコトバを
いくら書いても
伝わるものは
何も無い。

蠢いた 言の葉の
そのつぶやきに耳を傾け
生きた証を
そこに標した

生きたコトバを
書き連ねた

はずなのに

そこには何も残らなかった。

描いた夢も
生きたコトバも
望んだものも
果たされないことで
煌くと言うのか

それはチガウ。

ただ
環境に馴染む肌のように
その時の流れに
左右されているだけで。

死んでいったコトバ達は
一瞬の煌きのために
生まれては消え
また生まれ変わる。

そして
発せられたその瞬間に
煌きが押し寄せて
波に浮かぶ光のように
静かに輝くのだ

波間を跳ねる
魚のように

躍動する鼓動が聞こえるだろう

遠く さざめく
波の音に




2001年04月13日(金)
初日 最新 目次 MAIL

気に入った?↓

My追加