どうしようも 水がひからびてしまって 金魚はもう力つきて 横になっている。 風がふいたら 表面がかわいてきて いよいよ命も危険にさらされる。
なんとか看病してやらないと。
いっぱい涙をだして なけるんだったら すこしは潤おうのに。
それもできない 不器用なわたしは、 わたしなりのやり方で 看病に専念するしかない。
そうそう 2日ほど部屋をあけていたのだ。
部屋にもどると、 ちょんすけがいらだっていた。 餌箱をひっくりかえして、 落ち着きなく、 指先を噛む嘴の力が強い。
洗いものをしていたら、 ちょんすけがよってきたので、 両手でみずたまりをつくってやると、 手のひらで水浴びをした。 それがあまりにも 自由で楽しそうで 声を出して笑ってしまった。
小学校のとき、 服のまんま 近所の川にはいってあそんで、 パンツでめだかすくいをしたことを おもいだした。
それからどうしようも おちつかなくて。 大切な人に 金魚が危機だとメールしたのだけれど、 とても明るい返事がかえってきて、 この人はこんなに前向きな人だったのかと びっくりする。
それとも、 わたしが暗すぎてこの人を 前向きにしかできなくしているのではないかと 悲しくなる。
金魚が危機なことを わたしひとりしか 理解できないような気がして さみしくなる。
なまぐさいにおいが 鼻につく。
睡眠は ときどき 違う場所につれていってくれる きょうははやくねむろう。
おやすみ
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