へそおもい

2004年06月18日(金) コウダンシ

わたしはおばあちゃんが大好きだ。

おばあちゃんと電話をすると
不思議なことに、
いつも涙がでてきてしまうのである。

もう97なのだが、
話をしていると、
親しいともだちと
話しているような気分になる。

楽しい自由さがある。

先日は電話で恋愛相談をした。
「恋愛相談なんてできるかしら?」
とおばあちゃんは笑っている。

わたしはとても迷っていて
淋しい気持ちのときだったので、
とってもたくさんの質問をした。

どうしたらいいとおもう?
おばあちゃんならどうする?
どうやったらわかってもらえる?

おばあちゃんは、
わからないといった。

堅実も大切だと思うし、
リスクはあっても夢をおうような生き方もいいとおもうし、
いろいろな生き方があるけれど、
みんな価値観がちがうから、
あなたがきめるしかないわねえ…と。

あなたがどれを選んでも
おばあちゃん心から応援するから、
答えがわかんなくてごめんね、
といった。

一般のおばあちゃんらしくない
答えだとおもった。

今日も電話をかけた。

このまえ相談したこと
うまくいきそうだと報告した。

おばあちゃんは
よかったねえ!といった後、
最近すぐにねむくなるし、
耳も遠いし、
字をかくのも億劫だし、
ぼけてきてるのがわかる…
とちょっと弱気だった。

弱気なばあちゃんは
あまりみたことなかったので
少し不思議。

おばあちゃんは、
最近はじめて100円ショップにいって 
本を6冊買ったのだという。
今は太宰治の本をよんでいるという。

太宰よむと暗くならない?
ときくと、
なるなる、といっていた。

きっと太宰を読んでいるからだ。

わたしだって
ふつうにねむくなるし、
字を書くのもおっくうだし、
酔っぱらえば記憶喪失にだってなるよ。

電話中にちょんすけがないたら
おばあちゃんは、
「あら、とりのこえ?」ときく。
耳だってちゃんときこえるじゃないか。

ちょんすけは
わたしはとてもかわいいとおもうのだが、
みんなには「暴走族みたい」とか「ぶさいく」だとか
評判わるいのだと説明した。

あなたがいいとおもうのは
所謂好男子じゃないってことね。
でも好男子ってだれがきめるのかしらね。
といった。

わたしは
好男子という響きがとても気に入ったので
これからつかおうと思った。

夏にあそびにいくからね
といって電話をきった。

また今日も
涙がでてきてしまった。


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はたさとみ [MAIL]

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