本当だった。
うみのちかくのお家までの道のり 20年経っていたけど 覚えていた。
夢の中では たどり着けなかった おうち。
海は 変わっていなかった。
風が強くって 髪の毛がぐしゃぐしゃになった。
残された ご両親の気持ちは はかりしれず 何を話していいのか わからなくて
逆に 饒舌になってしまった。
海は ほんとに 変わっていなかった。
うそかとおもったけど ほんとうだった みたい。
お線香のにおい。
自分が 土足で踏み込んでいないか 心配だった。
でも わたしも 裸足で 足の裏がちくちくした。
なんでだろうか わけがわからないけど 人はみんな 絡まりあって 生きてて みんな 死ぬんだと思った。
ご挨拶した。
うみにも ありがとう 言った。
親孝行してね と言われて はい と答えた。
きょうは 旧暦大晦日。
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