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■ 新版・指輪物語(3)旅の仲間(下1)/J.R.R.トールキン
映画を見て、アラゴルンさま〜などと言っている間に、日々は流れ・・・今月はもう明日でおしまい。って、4巻まで行くはずだったのに、予定が狂った。
映画ではかなり早いテンポで話が進んでいたけれど、原作ではこの3巻の半ば過ぎで、指輪の仲間9人がようやくエルロンドのいるエルフの裂け谷を出発する。その前に、指輪の辿ってきた歴史が滔々と語られる。実はこの部分がないと、どうして指輪ごときに命をかけて旅をしなければならないのかというのがわからないので、なんだか歴史書でも読んでいるような気分になって、大部分の人が途中で投げ出してしまいそうな雰囲気に陥るのだが、とても重要な部分なのである。
「愛しいもの=指輪」と表現されていることでもわかるように、愛というのはある意味エゴイスティックである。だから世界を救うのは、「指輪の仲間=友情」なのだ。それを描いているのが第一部なので、全体として見ても、第一部の仲間が形成されるプロセスは非常に重要な部分だと思う。
ここにはアーサー王物語のようにキリスト教的な信仰の力などはなく、ただ自己犠牲と、真に結ばれた友情によって、偉業が成し遂げられていく発端を緻密に描いてある。トールキンはこの部分を強調したかったのではないかと改めて思う。
2002年02月28日(木)
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