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■ サンタクロースの忘れもの/ローリー・ムーア
“サンタクロースの忘れもの”とは、クリスマスエルフのことで(クリスマスエルフのことを書いてあるので読んだ)、原題は“The Forgotten Helper”である。しかし、日本ではクリスマスエルフもサンタクロースのヘルパーも馴染みがないので、タイトルにサンタクロースを入れないと、何の話かわからないといった事態になるのだろう。
内容は、いたずら好きで天邪鬼なエルフのアーベンが、クリスマスイブに、やはりいたずら好きでお行儀の悪い女の子アイヴィの家に置き去りにされてしまう。翌年サンタクロースが来るまでの、一年間の二人の物語である。
しかし主人公格の登場人物が、二人とも「悪い」やつ(根はいい子なのかもしれないが)なのが気にいらない。「良い」性格のものだけが主人公になるわけではないが、この設定はどうも面白くない。それでもって「良い子」でなくてはいけないといった教訓めいたことがしばしば出てきて嫌だ。そういうことは言葉に表さずとも、物語の中で語れるのではないかと思う。
「クリスマスなんてだいっきらい!なんでクリスマスなんてあるのかしら?」と書いてあるわりに、クリスマスが嫌いな理由もわからないし、アイヴィが両親を亡くし、寂しいから悪い子になっているのだろうという推測はできるが、理由が明確でないために、はなからそういう性格なのかと思われてもしかたがないだろう。だから可愛くないのだ。
エルフのほうも可愛い必要はないが、お調子者で落ち着かず、こんなエルフには来て欲しくないといった感じ。「心温まるストーリー」というので期待したが、全然温まらないぞ!
もしかしたら翻訳がよくないせいもあるだろう。子どもの本の翻訳は確かに難しいけど。。。読んでいてすんなりとけ込めず、かなり嫌だった。
2002年03月20日(水)
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