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 北欧のむかし話/山室静(編・訳)

スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランド、フェロー島から、それぞれ特徴のあるむかし話を編集している本。

ゲルマン族の神話はギリシア神話とならんで、ヨーロッパの二大神話とされている。この神話は、ほとんどすべて北欧に伝わるものなので、北欧神話と呼ばれている。それはギリシア神話とはまた違って、雄大で勇ましくも美しいものであるばかりでなく、ヨーロッパを理解しようと思えば、どうしてもそれの知識が必要である。トールキンの『指輪物語』も、源流を辿っていけば、この北欧神話に遡るのだ。

とはいえ本書は児童向けの本なので、神話としてではなく「お話」として、非常にやさしく、読みやすく書かれている。しかし、それぞれの国の個性が出ていて、なかなか面白いものだ。

◆スウェーデン
ゆたかな想像力で話をふくらませた美しいむかし話が多い。

◆ノルウェー
荒削りで、キリスト教とは違った昔の異教の香りがする。

◆デンマーク
北欧人の中では一番穏やかで、愛想がよく、世慣れている国民性のため、むかし話にも、ユーモアや教訓を交えながら、おっとりとした語り口を見せている。

◆アイスランド
アイスランドに移住した人たちが、誇り高い各地の豪族で、古来の文化をよく伝えていたうえに、バイキングとしてヨーロッパ各地を荒らしまわる一方で、それらの国のすすんだ文化を受け入れたことから、ここに新しい文化の芽がいきおいよく成長した。火山と氷河の島である特異の景観、大洋のただなかにある離れ島というその独特の位置のために、北欧のむかし話のなかでも、特殊な色合いがある。

◆フェロー島
ノルウェーとアイスランドの中間にある小さい群島でアイスランドが発見されるよりも前から北欧人が住みついていた。むかし話というよりも神話的な話。


2002年04月05日(金)
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