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 オー・ヘンリー傑作選/オー・ヘンリー(著)、大津栄一郎(訳)

オー・ヘンリーの名前は短編の名手としてよく聞いているし、一部の作品は何度も目にしているが、短編集として通して読むのは初めて。声のすてきな(顔は知らない)大津栄一郎先生の訳ということで、図書館で借りてきた。入っている作品は下記のとおり。

・賢者の贈りもの (The Gift of Magi)
・警官と讃美歌 (The Cop and the Anthem)
・マモンの神とキューピッド (Mammon and the Archer)
・献立表の春 (Springtime a la Carte)
・緑のドア (The Green Door)
・御者台から (From the Cabby's Seat)
・忙しい株式仲買人のロマンス (The Romance of a Busy Broker)
・二十年後 (After Twenty Years)
・改心 (A Retrieved Reformation)
・古パン (Witches' Loaves)
・眠りとの戦い (At Arms with Morpheus)
・ハーグレイヴズの一人二役 (The Duplicity of Hargraves)
・水車のある教会 (The Church with an Overshot Wheel)
・赤い酋長の身代金 (The Ransom of Red Chief)
・千ドル (One Thousand Dollars)
・桃源境の短期滞在客 (Transients in Arcadia)
・ラッパのひびき (The Clarion Call)
・マディソン・スクウェア千一夜物語 (A Madison Square Arabian Night)
・最後の一葉 (The Last Leaf)
・伯爵と結婚式の客 (The Count and the Wedding Guest)

本名ウィリアム・シドニー・ポーター(William Sidney Porter)、1862年ノース・キャロライナ州グリーンズバロで医者の子として生まれたが、家庭の事情で高等教育を受ける機会はなかった。1886年頃から作品を書き始め、1910年6月5日、ひとりニューヨークの病院で47歳で他界するまでに、13冊の短編集、272の作品を残した。

「オー・ヘンリーの作品の特徴は、独特のユーモアとウィットとペーソスにある。そしてそれを効果的に伝えている巧妙なプロット、とくに巧妙に工夫された出だしと意外な結末にある。それはまさにオー・ヘンリー流の作品と言えばだれにでもすぐ分かるような独特な型を作り上げている。・・・一言しておきたいことは、そのほとんどすべての作品が彼自身の経験、見聞に基づいているらしいことである。ただの作り話ではなく、彼自身の生活を代償にして生まれたのである。彼の作品が読者の心を打つゆえんはそこにある」――訳者あとがき

というわけで、「ユーモアとウィットとペーソスと意外な結末」というオー・ヘンリーらしさを、すべてに感じる短編集だった。彼自身が順調な人生を送ったわけではないので、弱者の気持ちも非常によく捉えていて、暖かさと優しさを感じる作品ばかりだ。

しかし、「ローリング・ストーン」誌をオー・ヘンリーが作ったとは知らなかった。でも1年後には廃刊になったというから、あの「ローリング・ストーン」誌とは全然違うものなのだろうか?



2002年04月26日(金)
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