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 地底旅行/ジュール・ベルヌ

鉱物学の世界的権威リデンブロック教授が朗読に成功したアイスランドの錬金術師の書き残した16世紀の古文書。それには、アイスランドの死火山の噴火口から地球の中心部にまで達する道が通じている、というのだ!教授は勇躍、甥のアクセルを同道して地底世界への冒険旅行に出発した。地球創成期からの謎を秘めた人跡未踏の内部世界を、驚異的な想像力で描き出した不滅の名作。

地底なのに、海もあるし恐竜もいる!そんな挿絵につられて読み始めた。『海底二万里』とともにディズニーシーにもアトラクションがあるくらい有名な古典の名作だが、ちっとも古めかしい感じがしない。このあたりはよく知っている話なのに、ちゃんと読んでいないという部類の本。改めてちゃんと読むと、すごい本だ。

SF好きの私は、こういった巧みな話を読むと全部本気にしてしまう癖があるので困るのだが、どこまでが本当で、どこまでが想像の世界なのやら、その境目もわからないほど。これが書かれたのは1865年。昔の人のほうが、想像力は豊かだったに違いない。もしかしたらこんな世界が本当にあるかもしれないと思ってしまうくらいに素晴らしい想像力だ。

唯一古いと思わせるものは、恐竜の絵である。現在の恐竜の絵は、尻尾が体に平行になるように描かれており(体のバランスをとるため)、体も前のめりで、流線型に近くなっているのだが、「ジュラシック・パーク」以前の恐竜の絵は、ゾウのような体型で脚も寸胴ガニ股で、尻尾は下に下がって体重を支えるような形になっている。こうして日々科学は進歩しているが、それもこれも昔の人の想像力が素晴らしかったためだ。その第一人者がベルヌだと言っても過言ではないだろう。

リデンブロック教授の、研究のためには何事にも動じない、自信に満ちた態度や、アクセルの皮肉屋で心配性な性格、ガイドのアイスランド人のハンスの沈着冷静さ、と登場人物の性格もそれぞれに特徴があって面白い。

最後に、地上にはどうやって戻ったか?甥でこの本の語り手(旅行日記の形になっている)であるアクセルがもっとも恐れていた事態が起こって、おかげで無事に地上に戻れたという顛末。これもまた予想外の驚きだ。まさかそんな!という事態ではあるが、実に楽しい空想である。


2002年05月30日(木)
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