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 妖精のキャラバン/ビアトリクス・ポター

『妖精のキャラバン』/ビアトリクス・ポター (著), Beatrix Potter (原著), 久野 暁子 (翻訳)
単行本: 264 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 福音館書店 ; ISBN: 483402525X ; (2000/06)

出版社 / 著者からの内容紹介
あのピーターラビット・シリーズの作者ビアトリクス・ポターが書いた唯一の長編作品がついに日本語に翻訳されて登場です。てんじくねずみのタッペニーは、悪友たちに毛生え薬の実験台にされてしまい、毛がどんどん伸び続けて止まらなくなってしまいます。そこで、ついに町から逃げ出す決心をします。さすらいの旅の途中で、タッペニーは、動物たちの奇妙な巡回サーカスの一座に出会います。その仲間に入れてもらったタッペニーは、一座のみんなと一緒に旅を続けます。旅の途中でのさまざまなエピソードが語られ、次第にこのサーカス一座の秘密が明らかにされていきます。そして、いろんな事件がおきて……。イギリスの田園を舞台に動物たちが繰り広げる愉快で不思議なお話が、ポター独特のユーモラスな口調で語られています。


ビアトリクス・ポターの 『妖精のキャラバン』 は、面白かった。これは、「ハリー・ポッター」や「指輪物語」、「ドラゴンランス」などとは、また全然違うタイプのファンタジーだが、「ピーター・ラビット」の世界を思い浮かべてもらうとわかりやすいだろう。

ネズミやヤマネや白イタチなんかが、「ヘアピンはお使いになるの?」とか、「あたくし、お帽子のふちかがりをしたりして夜が遅いものですから」なんていうセリフを言うのが、何ともおかしい。これは翻訳が合っているのだと思うけれど。

ポターのファンタジーは、「ピーター・ラビット」もそうだが、単にかわいらしい話というわけではない。良くも悪くも厳格なポターの考えと、イギリスの湖水地方の自然を守ろうとする姿勢が表現されたものだから、時にはあっと思うこともある。案外内容の深いファンタジーなのだ。

ちなみに、この本は長編として書かれてはいるが、実際はいくつもの話を繋げた作りになっている。あれやこれやの話を、登場人物(動物)たちがそれぞれの知っている物語として、ほかの登場人物(動物)に話して聞かせるのだ。だから、本体は動物のサーカスのキャラバンの話なのだが、いろいろな話が混じっていて、また楽しい。

2005年11月21日(月)
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