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 蹴りたい田中/田中啓文

『蹴りたい田中』/田中 啓文 (著)
文庫: 365 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 早川書房 ; ISBN: 4150307628 ; (2004/06/10)

内容(「BOOK」データベースより)
第二次大戦下で鬱屈する少年兵たちの、複雑な心象を描破した珠玉作「蹴りたい田中」で第130回茶川賞受賞後、突如消息を絶った伝説の作家・田中啓文。その稀有なる才能を偲んで、幼少時から出奔までの偉大なる生涯を辿る単行本未収録作8篇+αを精選、山田正紀、菅浩江、恩田陸などゆかりの作家・翻訳家・編集者らによる証言、茶川賞受賞時の貴重なインタビュウ「未到の明日に向かって」までを収録した遺稿集。

目次
未到の明日に向かって
地球最大の決戦―終末怪獣エビラビラ登場
トリフィドの日
トリフィド時代
やまだ道―耶麻霊サキの青春
赤い家
地獄八景獣人戯
怨臭の彼方に
蹴りたい田中
吐仏花ン惑星―永遠の森田健作


「くだらないから、そんな本読むなよ!」と言われながら、『蹴りたい田中』を読んだ。馬鹿馬鹿しいと腹が立つが、あんまり馬鹿馬鹿しいと、もう笑うしかない。要するに、茶川賞を受賞したというこの本は、ダジャレのオンパレードなのだ。

でもこれって、SFファン、またはある程度本好きでないと、わからないダジャレもあって、なかなか通な本なのだ。たしかに、馬鹿だなあ〜!とのけぞるくらいの馬鹿馬鹿しさなのだが、単なるオヤジギャグではない。

とんでもないオチなので、結末で脱力するものの、ダジャレに統一性をもたせるために(?)、結構真剣に考えているんだろうなと思えるふしもあり、あまり大声では言いいたくないが、ちょっと感心したりもする。

実際、田中さんという人に、この本をお薦めしたのだが、『蹴りたい田中』というタイトルのギャグさえ通じなかった。ぐえっ!!!

でも、私ひとりでこの馬鹿馬鹿しさを味わっているのも寂しいので、誰かに読んでもらい、その馬鹿馬鹿しさを分かち合いたいと思い、HAVANAの新井さんに無理やり貸した。

にしても、お下劣。エリクソンのファック話も、お下劣と言えばお下劣だけど、あちらはちゃんと「文学」として認められるのに、田中のほうは「くだらない」と言われてしまう。その違いはなんだろう?私には、『蹴りたい田中』も憎めないけどなあ・・・。(^^;

2005年11月30日(水)
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