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 わがタイプライターの物語/ポール・オースター

『わがタイプライターの物語』/ポール・オースター (著), 柴田 元幸 (翻訳)
単行本: 96 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4105217100 ; (2005/01/28)

内容(「MARC」データベースより)
誰もがデジタルに改宗するなかで、私は最後に1人残った異端の徒のようになっていった。でも気にしなかった…。オースターとオリンピア・タイプライターとの睦まじい関係を綴る本当の話。カラー挿画とスケッチ39点も収録。



『ナイト・ウォッチ』で煮詰まってしまったので、気分転換にオースターの『わがタイプライターの物語』を読んだ。ページ数も少ない上に、絵が多いので、あっという間に読み終えたが、これって、オースターの本というより、画家の画集でしょう。

たまたま絵の題材がオースターのタイプライターだっただけで、そこにオースターがちょっと文章をつけたといった体裁の本。柴田さんが翻訳するほどのものでもなく・・・という感じ。

この絵は面白いし好きだけど、本の作り方に疑問。オースターくらいに名前が売れると、ポール・オースターと名前をつけるだけで、こんな本でも(小説ではないといった意味だけど)売れてしまうのかな。なんだ、村上春樹みたいじゃないか。

最近のオースターは、売れるものは何でも出すといった感じがしなくもないので、あまり好みでなくなってしまった。やはりアーヴィングのように、しっかりした小説を書いてほしいなと思う。小説を出していないわけではないけれど。

また、「本当の話」というのが近頃オースターの売りっぽくて、これもまた気に入らないというのが正直なところ。だって、編集された「本当の話」を書いてるのはオースターじゃないんだもの。そういう話をオースターの感性で選んでいると言えば、まあいいんだろうけど、私は小説家のオースターが好きだったわけで・・・。


2006年05月01日(月)
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