小馬鹿なさっかの処刑人日記
GET TO HEAVEN.
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2001年05月10日(木)
ホワイティの陰謀

おかんがとつぜん、紅茶を出してくれた。
当然優しいからじゃない。
以前もらった紅茶葉があまっちゃってあまっちゃって、
困っちゃっているから出してくれちゃったのである。

そいつをごくごく飲んでいると、今度はおかしを渡された。
四角いクッキーの袋に、白く輝くその名前。

「白い恋人」

……これは。
伝説の北海道みやげ、「白い恋人」!

さっかはしばらく、お手軽にパニックを味わった。
だって「白い恋人」といえばもう、
ハワイといえばマカダミアナッツ、
のび太といえばスネ夫のミド〜ル友達、ってくらいに伝説!
てか、おかん!
なんでこんな商品を、近所で手軽に仕入れてきましたか?!

私は一応「白い恋人」をもぐもぐ食べつつ、話を聞いた。
「バイト先のデパートの物産展で北海道物産があったとき、
 あまったから安く買わされたんや。
 まー、こっちも喜んで買うてやったんやけどね」
もぐもぐ。ごくごく。
「それがな、大切にしすぎてもてな、
 今までとってあったんよー」
もぐもぐ。ごくごく。
「それでな、あっはっは。

 賞味期限、四月の末できれてんねん」

ごくん。

……。

おかあさま?!

「だ〜いじょうぶや、ってっ!」
おかんは今だかつてないほどのやさし〜い笑顔でそう言って、
部屋を出ていった。

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 noted by さっか