さっか愛用の超クールなお財布は、
思い出たっぷりの手作り革細工である。
高校2年生の美術の授業で作成したあの日から、
楽しい思い出も、苦しい思い出も、
毎日の全てをわかち合ってきた、かけがえのない友だ。
ちなみに横に「JABBERWOCK」と記されている。
高校生の当時から、さっかは駄目な子だった。
そんな愛用の財布だが、やはり長年使っているとどうしても、
綴っている紐の色がおちてしまったり、
果てには切れてしまったりする。
しかしそのまま放置して使い続けてみた。
そんなある日。
自動改札から出てきた釣銭数百円を、
財布の小銭入れに入れて、銀ボタンをカチッと閉めて、
サッと鞄にしまおうとしたところ。
チャリーン。
100円落ちた。
えっ。
こいつ、すでに財布の終末迎えとる。
ひょっとして最近金欠なのもこれが原因?
まさか。
そんな。
でも。
カバンの中に手を入れてみると、
ジャラジャラと手に触れてくる硬貨。
マジかよ。
いや。
だめだろ。
これは。
てか、こんな事になっても気付かずに使い続けた私って。
まさか。
でも。
ひょっとして。
私…。
だめかも…。
だめな子かも…。