unsteady diary
riko



 呟き≠文章

4日連続で、自覚の薄いまま、とりあえずスーツを着て、出かけてみた。

気持ちのうえで、なんとなく玉砕。
っていうんでもないなー。
無気力というか、脱力というか。
なんだか世界がモノクロだ。

寒かった。
ビルの谷間は恐ろしく風が強くて。
飛ばされそうにもない私でさえ、前に進むのが大変で。
そこを「負けるもんか」と進める人と
なにやらどうでもよくなって、
立ち止まって寒い中動きを止めてしまう人と。

後者は私くらいなものだったけど。


同世代の総合職希望の女の子たちの。
「お仕事バリバリやりたい!」「権限をもっと与えて!」「語学の出来る私は、海外でキャリアを積むの!」
みたいな勢いに、ただただすごいねえって見てるだけ。

すごい女の子がいたな。
アジアを視野に入れて、グローバルな展開をするつもりだという企業の説明に、
彼女は英語が得意らしくて、
「アジア以外の海外に進出する予定はないんですか?」って。
あっけらかんと。
アジアはちょっとイヤなんですけど…という言葉。
のけぞったね。
英語の使える国がほとんどなのに、行きたくないのは、
ただただ、国際人として、カッコよく仕事したいからだよね。

人事の人も苦笑していたけど。
それでもエネルギッシュで、それはそれで自信があって、
輝いてはいた。
あのくらい、アクの強いほうが、いいのかもね。


“お仕事”ってなんだろう。
若い者の提案をどんどん実現だの、ベンチャーだの。
そういうのについてゆけない自分は、ほんとに脳味噌からっぽで
へらへら生きてるような気がしてきて。
どうしてこんなにやる気がないんだ、枯れきってるみたいなんだ?
(↑小さい頃からずっとそういわれつづけている。否定もできない。)
マイナス思考は留まるところを知らない。

未来の自分。
こうなりたい、という自分。
それが見えないから、ここにいるのに。

ほんとは、数字やビジネスにあまり興味なんてなかった。
無理矢理に自分をそっちへ持ってゆこうとしてみたけど、
これはきっと拒否反応だな。
泥みたいに、身体が重い。
重くて重くて、暴れだしたくなる。
静かに熱心に皆が話を聞いているなかで、
膜のなかに、自分だけがいるような感覚。


だけど、こうやってネットをするのも、帰りに食事をするのも、
電車賃だって、全部タダじゃない。
だから、お仕事しなくちゃいけないわけで。
夢なんて、あなたの会社でなくちゃいけない理由なんて、
正直ないんだってば。

そもそも夢のある仕事ってなんだろうね。
結局は利潤最大化のために動くのが企業だもの、
夢なんて喰えないものは、二の次でしょうに。


サービス業ということで、私とほど遠そうな事業の説明だった。
25歳でマネージャークラスになれる、というのが魅力というのだけど。
責任重大な仕事、たくさんのお金と人を動かすのが楽しいというのだけど、
それはそれは、とても気の重そうなお仕事に思えた。
私だけが、そんなふうに思っていたんだろうけど。


皆、権限を与えられさえしたら、自分の能力が発揮できると
喜ぶんだね。
だけど私は、怖いよ。
足がすくむ。
言われた仕事をただこなす、その程度しかできなさそうで。
たぶんそこから、私は間違ってるんだろう。


バリバリのキャリアウーマンになっている私を、
人に指示出して、交渉ごとをしてるような私を、
私は想像できない。
周りの人はもっと、みたいだ。
保母さんとか、お嫁さんとか、そんなふうに言われることばかりで。

とりあえず。
(私自身、キャリアウーマンになりたいの?)
(向いてると思ってるの?)
そう、自問してみるけど。


とりあえず、結婚が目的で就職すると言う友人さんたちとは事情が違うので、結婚しないままでもクビを切られないところに就職しなくちゃならない。
           ↓
        一般職じゃそれは基本的にはムリ
           ↓
向いてなさそうだけど総合職で出すしかないのか…。


われながら、マジメに会社で働いている人たちを馬鹿にしてるよね。
あきれた思考回路だ。


なんで明確に行きたい理由のないような企業をまわってるんだろう。
バカじゃないの、ほんとに。
でも、ほとんどの企業にたいして、行きたいと熱烈に思う理由なんて
ないような…。


好きなことを仕事にするという方向を、あえて考えるのをやめようとしてる。
苦しいから、とりあえず置いておこうとしている。

このまま進むなら。
お仕事してる間は、きっと自分を殺すことになるんだろう。
昼間の星みたいに。

2001年02月08日(木)
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