ニッキ ゆり 【HOME

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2002年07月01日(月)

ずっと昔
気になっていた男の子に手作りクッキーを渡したくて
キレイにラッピングしたクッキーと手紙を手にして
ドキドキしていた。

ドアの所でひとりでいるその男の子を目の前にして
何も出来なくて、結局その日はあげる事が出来なかった。

その姿を見ているだけで、ドキドキして
話し掛けるなんて、心臓が飛び出しそうなくらい
緊張して、ずっと出来なかった。

だけど、話したい、ワタシの事知ってもらいたい気持ちが
どんどん増えていって、ひとり部屋でどぎまぎしながら
クッキーを渡す練習なんかをしていた。

一緒に渡す手紙も何回も書き直して
自分の携帯メールのアドレスも
「間違っていないように」と何度も確認をした。

2日目、焼きなおしたクッキーと書き直した手紙を手にして
いつ、渡そう・・・いつ渡そう・・・とドキドキしていた。

お昼休みも休憩時間も、結局渡せなくて
放課後になった。

どうしても、男の子がひとりでいる時に渡したくて
でも、ひとりになっている時がなくて
「あぁーどうしよう」そればっかり考えていた。

教室のドアの所にいた男の子。
ワタシは近くによって行って
渡そうと思った。

その男の子はワタシが教室へ入ろうとしている、と思ったらしく
すれ違う時、少しだけ体をどけてよけてくれた。

その瞬間、男の子の腕をトントンと叩いて
「これ、作ったの。よかったら食べて」と顔も見ないで言った。

男の子はクッキーを受け取って「ありがとう」と言ってくれた。
その時の顔、見れなかった。見たかったのに。
だけど、その「ありがとう」の声がいつまでも忘れられなくて
耳の奥でずっと優しく繰り返された。

クッキーを渡してドキドキしながら友達の元へ戻った。
なぜか必死に友達の手を握って
「渡したよ。渡した!!!」
そんなこと言ってた。


何時間かして、男の子からメールが来た。
絵文字がいっぱい使ってあって嬉しかった。
すぐに保護した。
返事は何を書こう?どんなのがいいかな?
10分ぐらい考えて必死に文を作ってやっと送信。
「気になってたんだ」
「それって付き合うこと?」
「違う違う!(本当は付き合いたかったけど)そんな事ない!」
「だよね。勘違いしてごめんね」
「でもS君がいいなら(^^)」
「んー。正直まよってるんだよね。まだ君の事知らないから…
友達からなら」
「よろしくね」
今でも覚えてる。メールの内容。


なんかね、今日、そんなことを思い出したの。
恋するのに一生懸命だった頃の事。
今でもそうやってドキドキしながら
手作りクッキーを渡せるのかな。
それとも、率直に、「スキ」って言ってしまうのかな。今なら。
どんどん固くなっていくココロ。
それを阻止したくて仕方ない。

柔らかくて壊れやすかったあの時のココロを
少しでも残しておきたくて仕方がない。

恋人からメールが来なくても
電話が来なくても
平気になっている自分が
成長した、のだろうけれど
ココロ、固くなってしまったのかなって思ってしまって仕方がない。



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