ニッキ ゆり 【HOME】
- 2003年01月26日(日)
朝10時。携帯の目覚ましが鳴る。
頭がひどく痛かった。胸焼けもする。二日酔い。
昨日の電話の一件があってから友達に電話をかけまくった。
一緒に呑んで笑ってバカ騒ぎできれば誰でもよかった。
「ねぇー今日呑める?」
「ごめん。今彼氏といるんだ」
何十回って聞いた。
ワタシの周りの女友達はほとんど男がいる。
幸せならそれでいい。
僻んでいるわけではなくて、今のワタシはそういうの疲れてるだけ。
着信だけを残して何時間かたった。
気が付いたらコタツで眠っていた。
電話が鳴る。もう23時だった。
「おー、今バイト終わった。どうしたん?」
1年の頃から付き合いの良かった友達だった。
「呑もう」
「はい?何かあった?」
「あったー、騒ぎたい。呑みたい。笑いたい」
「なんだそれ(笑)今バイトの奴とラーメン食いに行くんだ。それ終わったら行く」
寝逃げのお陰でだいぶ楽になってはいたものの
思い出すとまた苦しくなった。ココロの中が痛かった。
チクチクして、たまにグサッと刺さってくる。
「バイトの奴もいるけどいい?」
「いいけど、うちは駄目だよ」
「あー、んじゃぁ呑み屋行くか。家まで行くよ」
駅前のいつもの呑み屋で友達と友達のバイト先の人と呑んだ。
初対面の人と仲良くなるのは得意だった。
1コ下の人だったけど、そんなの何にも気になりはしない。
すぐに打ち解けた。仲良くなった。
いっぱい笑った。大きな声を出して2時間笑いっぱなしだった。
空笑いをしている自分を隠すように必死になって笑ってた。
2時間呑んで、カラオケに行った。
ノリのいい曲ばかり選んで叫んでた。
一緒に歌ってくれるのが嬉しかった。
喉がカラカラになっても声を出し続けて歌った。
吹っ切りたかった。
声を出して出して出して、もう出ないってぐらいまでになっても
ワタシは歌うことやめなかった。
吹っ切れない。
こんなんじゃ全然吹っ切れない。
大好きだったあの人にとってワタシとの別れなんて
どうでもいいようなものだったかもしれない。
何の未練も無く、「あっそう」で片付けられるようなこと。
だけど、ワタシの中ではそんな簡単なコトバで済むようなことじゃなかった。
浅はかな期待をもっていつもワクワクしていた。
メールが来るたびニコニコして嬉しくて長い返事を一生懸命打っていた。
それが一番幸せだと思っていた。
そうやってる自分がすごく好きだった。
でも、今は違う。
1ヶ月2ヶ月前の話でも、もう昔の話で
その短い間でワタシの考えや男に対する考えもだいぶ変わってきた。
ワタシが男と付き合うのが怖くなっていったのと同じくらいのスピードで。
結局、日曜日の一番稼げる日のバイトは休むことにした。
人のいい店長。ごめんなさい。自分勝手なバイトです。
二日酔いの他にも理由はあった。
薬を飲んでもすっきりしないモヤモヤしたものがワタシの体を支配しているのがわかった。
シャワーを浴びて目を覚まそうとしても
頭の中はまだ昨日にいて、まだ今日に来ていない。
苦しくなって、シャワーを浴びながら泣いた。
上を向いてお湯をかぶっていても涙は止まらなかった。
お気に入りのローションを塗ってあげても気分は晴れなかった。
ズーンと沈んだままの気持ちでバイトには行けない。
ぼけっとして失敗して接客出来ないのが目に見えているから。
大好きだったあの人。
笑うと目がなくなってかわいい顔。
煙草を吸う横顔がステキで、背の高さが違うから
斜め下から見上げるのが好きだった。
運転をしながら手を握ってくれるのが嬉しかった。
一緒に煙草を吸えるのが楽しかった。
パチンコと競馬が好きで、野球の話は尽きることがなかった。
全ては表面上。
中身が見えたと思ってそれをホンモノだと思っていた。
ホンモノはニセモノでワタシが見ていて信じて疑わなかったものは全てニセモノだった。
他に女の子がいても頑張れるかもしれないなんて
強がって無理して頑張って、少しぐらい辛くたってへっちゃらだと思ってた。
全てはそのニセモノを信じていたから。
ワタシはニセモノを見極められなかった。
ホンモノしか欲しくない。