ニッキ ゆり 【HOME】
- 2003年04月24日(木)
「あなたしかいなかったから、他の人に話をもちかけるか
妥協して他の研究内容をみつけるんだねぇ〜」
卒業研究の研究内容のレポートを返却された時に
先生にバカにしたような口調で言われた。
「精神障害について」
細かい事は本当にいろいろ書いていたけど
精神障害について研究しようって人はワタシだけだった。
もうこの研究内容は個人論文の題材にしよう。
そう思ってた。
妥協して他の内容にしようかなー、そう思ってった時だった。
「研究内容決まった?うちら決まってないんだけど、一緒に話さない?」
トミーが話し掛けてきた。
友達と二人、「決まらないよねぇ」なんてぼやいてる時だったから
トミーは救世主のように見えたんだ。
「ゆりは何をしたいの?」
「精神障害についてなんだけどさぁ」
「俺らも全然まとまらないの。みんな決まってるし、どうしようかね」
8人、研究内容が決まっていない仲間でグループを作って話し始めた。
ワタシは最初から8人が精神障害についての研究なんてするわけがないって思ってた。
だけど、トミーが食いついて来てくれて
「人と違う研究ってしてみたいんだよね」
ワタシはココロの中で
「先生みたか!ワタシと意見が合う人だっているんだよー!!」
そんなことを思いながらトミーに詳しい話をし始めたけど
残りの6人が微妙な雰囲気だったから
トミーが食いついてきたってことはもしかしたら?!
期待しながら熱弁。
すごい勢いで話し始めたけど…。
だけど、結局「自閉症の就労について」に決まった。
残念だったけど、同じようなことを考える人が
このクラスにもいるんだなぁーって分かった事がすごく嬉しかった。
ワタシも人と同じことはしたくない。
出来るなら人と違うことをしていきたい。
トミーもそうなんだ。
そういえば、洋服も持ち物も、なんだかおしゃれだった。
人と違うことが大好きな人って
見てるだけで楽しい。
自分大好きです!って雰囲気がすごく出てるようにワタシは思うんだ。
単車の後ろに卒業までに乗せてもらう約束。
しかも、女の子ではワタシが一番最初だよ!っていう約束。
すでに破られてしまいました。
ざーんねーん。
「実はもう乗せちゃったんだよね。夜中の2時に1人で帰らせるのは悪いと思ってさぁ」
理由を聞いて納得。
キミがそういう優しい考え方をする人で良かったよ。
バツの悪そうな顔をしながらヘルメットを撫でてる顔をみたら
なんだか可愛そうになっちゃって
「気にしてないよ。でも!GWにドライブ連れてって?」
女の子一番最初!は駄目だったけど
長距離ドライブ一番最初!になれるならいいんだ。
一番ってことにこだわっているわけじゃないんだけど
仲のいい友達だからそういうことがすぐに言えてしまうんだ。
ぶっきらぼうだけど、本当はすごく優しい人なんだって再確認できて
友達としてすごく嬉しかった。
夕方5時から担任面接があった。
就職のことを中心に話をして、頑張れって励ましをもらった。
「そういえば最近元気がないけど、どうした?」
「あー。別に…。クラスに馴染めないだけ。」
「んー、それはなぁ…」
それはなぁ…で止まらないで!!続きは?!
気が短いから先生の言葉を待っていられなくて
「友達が笑ってるネタで一緒に笑えない。楽しいことを共有できない」
「んー。そうなのかぁ…。」
あ、また言葉に詰まってる。
助言なんかもらえそうもなかった。
結局ワタシが他の話をした。
「座席指定ってのはいいと思いますよ。授業に集中出来るし」
「今度は違う方法でまた席を替えようと思ってるんだよな」
「だったら男女にしようよ。」
「なんで?」
「ワタシ、タクさんの隣りがいい」
「はははは(笑)」
よかった。先生笑ってくれたよ。
クラスはあんまり馴染めてないから
楽しいことを共有できないけど
だけど、ワタシなりに小さな楽しみはいっぱい見つけてるんだ。
憧れのタクさんの癖を見つけてみたり
コンバースを履いてる人はどれくらいいるんだろう?とか。
「あんた変だよ!」なんて言われたけど
ワタシなりに楽しんでいるつもり。
溜息なんかついていられない。
ワタシには向かうべき場所があって
ワタシの到着を待っている光の当たる場所があるんだ。
だから今、こんなことで落ち込んでる暇はないの。
楽しいことは自分から見つけなくちゃね。
足元にはいっぱい転がってるんだもん。
気がつけなくっちゃ、もったいない。
お金がなくたって楽しいこといっぱい出来よ。
ドライブに連れて行ってもらう約束をしたり
放課後の喫煙所で長話しをしたり
問題集をこつこつ解いていったりさ。
気がつかないだけ
見過ごしているだけ。
毎日楽しいこといっぱい見つけたい。
そしたら明日も楽しみになるもんね。