ニッキ ゆり 【HOME】
- 2003年10月19日(日)
「あなたに好意を持っています」ということを伝えるだけなのに
回りくどくなってしまうのは仕方ないこと。
照れや恥ずかしさがふんだんに詰まっているんだから。
それ以上に、「好意」がありすぎて胸の中が詰まっているんだから。
でも、それを言わせたいがために
電話を切ろうとしない行為がワタシは好きだ。
電話を切った時の寂しさやなんとも言えない虚無感。
それら痛いくらいの気持ちはもうわかっているから
だから、電話を切る時はいつも明るく「バイバイ」と言うようにした。
そうすることで自分の中にある「寂しい気持ち」を少しでも軽いものにしようとした。
それでいいと思っていた。
ワタシはそれで実際に少しだけ、ほんの少しだけだけど
そうしないよりはココロの中の負担は軽くなったから。
相手のことが大好きでどうしようもない時
ワタシはただその気持ちに浸ることしか出来なくて
「好意」を知ってもらいたくせに、相手に感じ取られる前に
間逆のことを言ってのけたりなんかしてしまう。
バカだなぁと思うけど、どうしようもないんだ、と言い聞かせて終わる。
その繰り返しで前に進めない。
だから、今だって、
きっとこれからだって。
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「好きだ」と言ってくれた気持ちは嬉しかった。
とても満ち足りた気持ちになって、ココロが暖かくなった。
ワタシのどこが好きなの?という問いに「考え方」や「正直な所」と言う割りには
ワタシが本当のことを話すと(だましていたわけではなくて)
一気に引いてしまって、その2分前の「好きだ」というコトバを撤回してしまった。
ねぇ、それって「好き」じゃないんじゃないかな?
何も後悔していない。
ただ、そのことはこれからもずっとずっとワタシと一緒だから
それもワタシと同じくらい好きになってもらえないと
この先もずっと一緒になんて歩いていけない。
ツバメはワタシ。
だから、ツバメのせいになんかしない。
2匹のツバメはワタシのお守りでもあって、ワタシ自身でもある。
こういうことはこの先何度も待っていることだ。
ワタシがどうしようもなくほれ込んだ男と付き合うことになっても
ワタシはバカ正直に伝えるんだ。
「ツバメを飼ってるの。」
ほれ込んだ男はきっと驚いた後にこう言う。「そうなんだ」
実際に見せるときっとこう言う。「さっきのことなかったことにして」
わかっている。ほれ込んだ男がそう言っても、ワタシは悲観的にならない。
だって、そういうことも覚悟してツバメを飼う決心をしたのだから。
ツバメのせいなんかじゃない。
強がりを言えば「やっぱりツバメまで愛せない男だったのね」ということ。
衝撃が大きかったのだろう。世間一般に好感度がいいものでもない。
だから、仕方ないのだ。
「なんで隠してたんだよ」と言われても
友達にわざわざ言うこともないし、見せびらかすものでもないし
知ってもらっておきたい友達にだけ、こっそり言うから
だから、責められても困ってしまう。
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朝10時。実家用の着信音が鳴った。
びっくりして、電話に出ると、おばあちゃんからの電話だった。
「どうしたの?なんかあったの?」びっくりしてそう聞くと
「昨日からお父さんとお母さんが山に行っていてねぇ。」
「えーじゃぁ、昨日からおばあちゃん1人だったの?」
「そうなのよ。だからね用事はないんだけど電話したのよ。」
おばあちゃんからワタシの携帯に電話がかかるのは初めてだった。
あの古びた赤い手帳にワタシが書いた携帯番号を探してかけてくれたんだ。
8月の誕生日に話して以来、ずっと声を聞いていなかった。
おばあちゃん。元気そうでよかったよ。
でも、ワタシが実家を出てから、寂しい想いをさせてごめんね。
ワタシ、就職決めたらすぐに帰るから、おばあちゃんの作ったお味噌汁と
煮物と、混ぜご飯を食べさせてね。
大晦日は一緒に紅白歌合戦を見よう。
そして、日付が変わったらいつもの神社に初詣に行こうね。
おばあちゃんの習字の練習帳も見せてね。
老人会で作った作品も見せてね。何個か貰っていくよ。
部屋に飾るの。いいよね?
おばあちゃん、ワタシの結婚式には車椅子に乗ってでも出席してもらうからね。
花束贈呈は両親よりも先に、おばあちゃんに花束を渡すよ。
ワタシが物心ついた時から側にいてくれたのは、おばあちゃんだった。
いっぱい怒られて、いっぱい優しくしてくれた。
CDを買うのだって、おばあちゃんに一番に相談した。
大好きなおばあちゃん。
早く就職決めて帰るからね。待っててね。