ニッキ ゆり 【HOME

My追加

2003年11月03日(月)



実家に帰って食べたいものをたくさん食べた2日間。
さんま、おさしみ、水炊き、お漬物。
暖かい白いご飯と熱いお味噌汁。
おばあちゃんの漬けた人参のお漬物。



お腹いっぱい。胃がちくちくするほど。


家族5人そろう食卓はこれからもっと少なくなる。
笑い声とテレビの音と水炊きのぐつぐつという音。
うるさいぐらいの食卓がワタシの家には似合う。


夜は大きな大きな梨をおばあちゃんがむいてくれて
テレビを見ながら一緒に食べた。
次の日の夜は栗をむいて食べた。
秋の味覚ってステキ。お腹いっぱいだったのにまだ入る。
気がつけばたった2日間とちょっとで1.5キロ太ってた。
体重計に乗って笑った。
父親が「東京に戻ればすぐ減るんだろ。食べとけ食べとけ」と言った。







天気が良かった2日に原付を走らせて1人で出かけた。
特に行く場所はなかったから
前に住んでいた鎌倉のアパートまで行った。
懐かしい白い建物。長い長い桜並木。変ってない公園。
「こんなに静かだったっけ?こんなに広かったっけ?」
何人か住民と思われる人とすれ違ったけれど、誰かわからなかった。
もう7年も前に住んでいた所。
ワタシが生まれて14歳まで住んでいた所。
ワタシにとっては、あの場所はとても懐かしい場所。大好きな場所。
ワタシたちが住んでいた3階は誰かが住んでいて、少し寂しかった。
きっとアパートなんてそんなものだ。



そのアパートから歩いて5分したところからモノレールが走っている。
ぶら下がったモノレールは珍しいと聞いたことがあった。
久しぶりに乗ろうかと思ったけど、特に行く先もないし原付もあるし
モノレールを上に見ながら、小学校まで走らせた。
通学路は変っていなかった。
「丸坂」と呼ばれた長い坂道を登って団地を横切ると
相変わらず静かな小学校があった。
日曜日だったから校門は閉まっていた。
何人か小学生が校門の前でおしゃべりをしていた。



そのまま通り過ぎて、中学校と高校にも行った。
相変わらずでかい。広い。新しいグラウンドが出来ていた。
やたらと広くて校舎が何個もあって、警備員が何人かいる。
校門が少し開いていた。
6年間、この校門の前で一礼をした。行きも帰りも。
懐かしかった。




小学校、中学、高校、懐かしい場所へ何を探しに行ったんだろう。


でも、とっても新鮮な気持ちになった。
原付で隣りの隣りの町まで走ったのも初めてだった。
楽しかった。








「洋服を買ってあげるから帰っておいで」
母親はいつもそう言う。
そのコトバにつられて、甘えてワタシは帰る。




コーデュロイのコートと水玉のカットソーと
紫のカットソーと茶色のストライプのスカート。



母親がタートルネックとニットのアンサンブルを試着。
こげ茶色が良く似合う。




母親は俗に言う「おばさんっぽい」洋服を選びたがる。
でもワタシはいつもおしゃれでいてほしいから
なるべく明るい色を勧める。
「こんな色が私に似合うなんて知らなかった」と驚いていた。



「私一人で買いに来ると駄目ね。地味な色ばっかりだわ」
そう言って「早くまた帰ってきてね。買い物に行こう」と言ってくれた。






大量の洋服と大量の食料をダンボールに詰め終えて
宅急便で送ってもらった。



おばあちゃんからお小遣いを貰った。
21歳にもなるとなんだか少し恥ずかしかったけど
大事に大事に貯金をしようと決めた。




実家は天国だった。
食器を片付けようとしたら「座ってていいよ」と言われるし
洗濯物もお風呂掃除も「やらなくていい」と言われ続けた。
手荒れが酷いのもあるんだけど、なんか、嬉しかった。



おばあちゃんと2階で話していて「ご飯だよー!」と呼ばれると
食卓にはご飯の準備がされていた。
座って食べて、終わり。
何もする事が無かった。
幸せ。



幸せをたくさん吸収して、明日からまた頑張ろう。









BACK NEXT 初日から日付順 最新 目次