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仕事 - 2001年01月18日(木)

「プロジェクトX」という番組を見ていた。
日本初のバチスタ手術をした医師のドキュメンタリー。
とても面白かった。

考えてみると、私はドキュメンタリーがとても好き。
ドラマも、お笑い番組も、見るけれど。ドキュメンタリーモノが一番好き。
どんなドラマも、映画も、かなわないすごい「物語」がそこにあるから。
もっとも、ドキュメンタリーたらしめるために、多少の脚色はあるだろうけれど、それでも、大筋はそのままであろう。

今回のドキュメンタリーを見ながら仕事のことを考えた。
今、私は医療者が読む雑誌を作っている。
本当に私がしたかったのは、この仕事だろうか。
確かに、今の仕事は好きだ。嫌いなところもあるけれど、だいたいは、好き。
でも、私がしたかったのは「本を作ること」ではなかった気がする。

学生の頃、記者になりたかった。だから、就職活動は、新聞社ばかり受けていた。一社だけ、受けた出版社が現在の会社だった。
医療者向けの雑誌。別に不満はない。
最初の一年は、ものめずらしさだった。
見ること、することすべてが珍しくて、そして毎日ワクワクしていた。
二年目は、慣れてきたために、少し他に目をむけた。
ルーチンワークと化した仕事を、「珍しい」とは思えなかった。だからこそ、のミスもした。
後半には、早くも転職を考えた。
今考えるとそれは「焦り」に近いものだった気がする。自分の未熟さから来る「焦り」。
そして、2年目を終え、3年目になろうとする今は、「初心に戻る」ことを考える。
一つ一つ、ミスなく、ムラなく、確実に行う。

確かに、今の仕事は好き。
けれど、私がやりたかった仕事ではない。
私は記者になりたかった。
その最大の動機は「人」だった。
「1人でも多くの人に会いたい」「1人でも多くの人の『生きた証』を残したい」
それが私の最大の「動機」だったのではなかっただろうか。
もちろん、そんなのエントリーシートには書けない。エントリーシートには、至極まじめなことを書いていた気がする。

上手く伝えられないけれど。
普通の人が「生きた証」を残せる、そんな本をいつか作りたいと思う。
具体的にどういうものか、これから考える。
そのためにも、今は実力を貯える時期。

「医療」に興味がないわけではない。
命の最前線、という現場、人が生きるために闘っている現場。
そこには、「きれいごと」ではない「生」がある。
多分、私が作りたい「本」はそこから離れたものではないのだと思う。
きっと近くにいて、いつかそれを作るために、私は今の会社に入ったのだと思う。

何となく、仕事のことを考えた。
一年目の時のようなワクワク感が少し、見えてきた。






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