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たなぼた人生 - 2001年04月13日(金) 今日は高校時代の友人とピアノ・コンサートに行ってきました。 梯 剛之さんというピアニストのコンサートです。 彼は、全盲のピアニストです。 小児がんのため、幼くして視力を失いました。 けれど、彼のピアノの音が私は好きです。 無機質な音に聞こえるときもあったけれど、優しいタッチの音も混じる。 最初に彼の音を聞いたとき、鳥肌が立ちました。 私が最初に聞いた彼のピアノの曲は「葬送行進曲」。 その後、NHKの彼のドキュメンタリーで、彼にとってその曲がどのような曲であるかを知りました。 生後まもなく失明し、今もなお、再発の恐怖におびえている彼にとって、「死」は曲の、楽譜の中のものではなく、すぐそこにあるものなのです。 今回、彼のコンサートの中に私が好きな曲はありませんでした。 ショパンのノクターンや、英雄ポロネーズはあったけれど、どことなく、雑っぽく聞こえ、ちょっとがっかりしてました。 でも、アンコールで弾いてくれた「雨だれ」を聞いたとき、涙が出そうになりました。 なんて、優しく弾くんだろうか。 なんて、優しい音を出すんだろうか。 丁寧に、丁寧に、とても優しいタッチのその音は、「やっぱり来てよかったな」と思わせました。 余談ですが・・・。 会場はシンフォニーホールだったのですが、私はずっとフェスティバルホールだと思っていました・・・。 会場へは、タクシーで行って、ぎりぎり間に合ったのだけれど。 一緒に行った友人から、 「こんなことがあっても間に合う君の強運がすごい」 と言われてしまいました。 まあ、確かに・・・ね。 考えてみると、私の人生、今まで本当に「何とかなる」でなんとかなってきてしまいました。 彼女からすると、私はかなり「たなぼた人生」になるのだそう。 ・・・否定はしないけれどね。 ついでに、「普通の人が歩むような人生は、歩みそうもないよなあ」とまで言われました。 ・・・そうなのかな? それはさて、喜んでいいものやら、悲しんでいいものやら・・・。 -
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