札幌へ行った帰りのＪＲに　空席が一つ。
『ラッキ〜！』と　心の中で叫びながら
進行方向とは逆向きの席に　座った。
ボックス席となったそこに座っていたのは
東京へ行くらしい３人の親子連れ。
おかあさんの膝の上に　置かれているのは
３人　それぞれのお好みのお弁当。

発車前　機内で食べようと話していたのに
電車が動き出すと　隣の小学生の男の子が　
やっぱり　食べたい−と開いたのは　豚丼。
プ〜ンと　美味しそうな甘辛い匂いが
腹ヘリコプター状態の私の鼻をくすぐる。

そう云えば　朝昼兼用で　９時頃に
小さなパンを２個　食べただけの今日。
途中　友達と　コーヒーは飲んだけれど
もうじき　７時になろうとする今は
普段のリズムからすると　空腹も極致だ。

『ひと口　ちょうだい！』と　我を忘れて
言ってしまいそうになる気持ちを押さえ
目の前にちらつく豚丼の映像を打ち消し
帰宅して　買ってきたデパ地下のお弁当を
開いてから　私の食欲ダムは　決壊した。

おだいりさまは　飲み会で留守なので
物も言わずに　ひとり　ガツガツ　ペロリ。
お弁当＆お惣菜は　瞬く間にたいらげ
冷蔵庫の残りものに加えて　お菓子も食べ
食べたものは　胃から食道の中程まで
すき間なく　ぎっしり　詰まっている。

嗚呼　こんな私に　誰がした？
みんなみんな　み〜んな　豚丼のせいだ！？

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