お坊様を囲んでの食事の時、 親戚のおじちゃんが、マイクで 「Kさん(父)とは よく一緒に囲碁をしたものだ。」、 という話をしてくれた。
食事が終わって、お坊様も退席し、みんな三三五五 帰宅の途につこうとした時、 おじちゃんが、様子がおかしい。
椅子から立ち上がれなくなったのだ。
『大丈夫、大丈夫、すぐ治るから・・」とは、言いながら 動けない。 『右手が、右手が・・」と言っている。 右手がだらりと垂れたままだった。 まわりのおばちゃんたちも、騒ぎだし ついには救急車を呼ぶことになった。
おじちゃんは、上半身起こした椅子の姿勢のそのままで 担架に乗せられ、救急車で病院へ運ばれた。 エレベーターが狭く、担架が入らないので、救急隊員がかついで 階段を下りた。 会場が2階であったのが、せめてもの幸い。 奥さんであるおばちゃんも、真っ青になり、着物姿のまま 救急車に付き添って行った。
あの世から、父が 囲碁友を呼んだのか、と 誰もが思った。
しかし さっき連絡があった、 おじちゃんのそれは、脳梗塞の始まりだったそうだ。
脳梗塞は 病院へ行くのが、早ければ早いほどいいのだ、 おじちゃんは、命には別状なく済むでしょう。
誰もがヒヤッとした13回忌だった。
帰りの山道国道106号線は、紅葉が 色とりどり 岩手の秋まっさかりだった。
父の危篤に 何度もこの紅葉の中を往復したので 106号線の紅葉を見ると、涙がにじんで困る。
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