夫が、秘湯にはまった。
「K温泉、行ってみよう!!!」
その時 車のガソリン残量の針は 「E」を指していたのに どんどん山の上めざして走らせるので、 「途中でエンストしたらどうするの??」と、私は 半分怒っていた。
携帯電話も、くっきりと『圏外』ではないか。
町営のふるびた温泉は、いやーー古かった・・・ 畳も、床も、天井も、日焼けして とにかく古かった。
町民は300円で入れるが、町民外は600円。 (高いよね) 同行した三女は、絶対にいやだ!入らない!と、宣言して 広間で「ちびまるこちゃん」の単行本を見つけ 一心不乱に読んでいる。
私は 先に入っていた3人のおばさま方に 「こんにちは」と小さな声で、挨拶して、キョロキョロ・・
地元民ばかりのところに、裸で分け入っていくのは 勇気がいるよ。
湯船は狭く、水道の蛇口がない。
一本だけ湯が流れてくる出口があり、それは湯船に注いでいる。 そのそばには、プラステイックのコップ。
おばさまの一人は、それでゴクゴクお湯を飲んでいた。
「なるほどねえ・・・」と胸の中で独り言。
お湯は 白濁、熱めの湯。 おばさま方の会話は、聞き取れそうで、聞き取れない雫石弁。
湯船のタイルにこびりついた白い湯ノ花は どこかの山の背のように、重なり合って、年季を感じさせる。
「なるほどねえ・・」と 指でなぞる。。
あとで調べたら、もっと奥に、もっと全国的に有名な そして入湯料ももっと安い料金の宿が 二軒あった。 (だから もっと奥に行ってみようって 私が 言ったのに 夫は、へそ曲がりなので 無名どころが好きなのだ)
しかし、効能が一番いいのが、ここの湯、ということだった。
風通しの良い大広間では、 医大での手術のあと、調子が悪いので湯治に来た、と 話しているおじさまもいた。 ☆ 泉質−含炭酸重曹土類硫化水素泉/泉温−55℃
排水溝まで、白濁の湯。中で独特の藻が発生するので 遠目には、エメラルド色に見えるのだそうだ。
帰りは、ずっと下り坂なので、ガソリンは大丈夫だった。
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