久しぶりに見た夕日が、哀しくなる程に綺麗だった日は部屋の明りは点けないままで夜に溶け込んでいきたい。貴方の姿が闇に覆われるその前に、ゆっくりと揺らぎ茜色に流れる蝋燭に火を点ければSadeの抑揚が二人のラインをなぞるだろう。 朝がくるまで夕日の中であなたとひとつになったまま終らない抱擁を繰り返したい。 まるで蛙の標本のように、壁に両手を付いた愛し方は明日にして。