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2001年07月03日(火) 一番憎い愛しい貴方へ


 水滴を髪から落としている、いい匂いを漂わせた彼を見た時、これがよく言う映画のワンシーンから出てきたようなんだと思った。私の愛する人は、悪魔のような妖しく冷たい眼差しと、類稀な程に相手をかわす術を持つ。私は彼と逢うたびに、彼のために死にたい、彼に抱かれたままで死んでいきたいと思い、そして彼と別れるたびに、死ぬのは彼の方だと思う。
 それは、別れるときだけではなく、彼が私の体からまるで寝返りをうつように降りて、それでも私を抱き起こしシャワールームへと連れて行く時、石鹸で泡だらけになった手を私の両の足の間に滑り込ませ、彼が残した刻印と私の内から溢れ出した哀(愛)液を優しく洗う時、彼が再びそこで猛りを増し私を自分のお腹の上に納める時、滑らかな泡のなかで交わり彼が私の開いた足の下で喘ぎながらも私の名前を呼ぶ時、体内の全ての汗と全ての水分そして、全てのオルガズムが私達の体を不意に掴む時、この男は死ぬべきだと思うのだ。


香月七虹 |HomePage