colorful days
あたしらしく生きてたい。

2003年06月18日(水) お話7

 なら、私はその道を行く彼を、応援するだけ。彼が大切だと言った、この場所で。
「もう、行くよ」
 彼女の肩に手を置いて、呟く。これで、ほんとうに最後。顔を見ると、決意が鈍りそうな自分を奮い起たせる。
 彼女の顔をそっと両手で包んで唇を合わせる。触れるだけの、優しいキス。
「元気で――」
 いつか。そう、いつかまた君を思い出したなら、この時の想いを歌にしよう。
 未熟だった自分が手放した、最愛の想いを。
 それはきっと、空を翔けて君の元へ届くだろう。
 幸せであろう未来の君へ――


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