short story


2001年05月01日(火)


「さようなら、あなた」
あなたが
私とは全く関わりのない人生を
歩き始めたことは知っています。
時が教えてくれます。
日、一日と。
目覚める度に。残酷に。

だから
私もあなたを忘れます。
思い出にさえも残さないようにと
それはもう必死で忘れます。
これ以上
あなたに淡い期待を抱いて待つのは
つらいのです。
ごめんなさい。
もうつらいのです。

お願いですから
忘れた頃に
電話などしてこないように。
私の名を呼ばないように。

死にもの狂いで忘れるのですから
私にそう決意させたあなたは
もう私には触れないように。

さようなら。
あなた。
私の中のあなた。
もう二度と
触れないように。

笑い掛けることはないでしょう。

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日記才人