short story


2001年05月03日(木)


「赤い公園」
子供のような純粋さを
大人に持ち込んで
汚れたことを嘆く。
君は
赤い公園に一人。

ブランコに乗る自分の影が
近づいて
離れて
耳障りだが懐かしい金切り音が
次第に心を絞めつけ
耐え切れずに飛び降りた。
君は
赤い公園に一人。

昨夜の雨が染み込んで
黒く
固くなった砂場。
爪先でいくら掘り返しても
いつまでも重たい砂。
それはきっと
涙に濡れていたのだろう。
君は
赤い公園で
途切れがちな言葉の美しさに
優しく手を繋いで笑って。

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日記才人