short story


2001年07月30日(月)


「接点と距離」

あの人は
私には全く関わりのない世界に
生きている人でした。
これまでも、そしてこれからも
おそらく触れることのないだろう世界。

ちょっとした偶然であの人を知り
興味を抱いた。
自分にはない価値観で生きている
あの人の言葉に私は惹かれた。
あの人も同じ想いだったのかもしれない。

やがて私達は当然のように
互いの世界に相手を招き入れようとするが
接点のまるでない二人には
交わるべきものなどないことに気が付き
不用意に近づいてしまったことを後悔する。

相手を気に入ってはいても
それとこれとは別なんだ。
遠くのものは
遠くから眺めるべきなんだ。

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日記才人