short story


2001年08月14日(火)


「涙で見えない」

返り血さえ浴びずに
笑いながら人を殺せる時代なんだよ。

奪われることなく
奪うことだけがまかり通る世の中なんだよ。

死はそれほど遠いものかい?
死を与えられるのは恐ろしいかい?
じゃぁ、死を与えるのはどうだい?

本当は
与えるのも奪うのも
同じくらい恐ろしいことなんだけど
君達はまるで気付いていないようだから
そうやって簡単に他人を否定するんだ。

あなたが後生大事に抱えているものの価値が
どれほどのものか。
死があなたに与えられるその時になるまで

教えてあげない。

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日記才人