「花」
私の手に紅の糸がひき指先を伝って水面へと落ちた。花が咲く。色はおそらく薄い桃色だったか。いや。もしかしたらそれは私の知らない色だったのかもしれない。しかしそれはどうでも良いことだ。そしてやがて花は散る。緩やかに。私のように。広がってゆく。世界へ。あなたへ。