short story


2002年05月22日(水)


「雷鳴の元」


雷鳴が雨を呼ぶ前に
外へと歩き出す。
生暖かい風に乗って
懐かしい匂いがした。

たくさんの人の背を
見ながら歩くのは
いつまでも慣れないもので
かと言って振り返ることはしないから
不思議でならない。

信号が変わる度に
無口になっていく自分だって
確かにここにいるのに。

 < past  INDEX  will >
日記才人