「斜めの螺旋」
ひとつ欠けた窓。斜めの螺旋。半分の影と風のざわめきから昨日のことを思い出す。意味のない動作を何度も繰り返して袖口に流れ込んで来た君。手元が寂しくてわずかに目が霞む。ちょうどその時机の上の手鏡から光が当たってなにかとても安らかなものから僕らは守られた。