short story


2002年05月14日(火)


「斜めの螺旋」


ひとつ欠けた窓。
斜めの螺旋。
半分の影と
風のざわめきから
昨日のことを思い出す。

意味のない動作を
何度も繰り返して
袖口に流れ込んで来た君。
手元が寂しくて
わずかに目が霞む。

ちょうどその時
机の上の手鏡から
光が当たって
なにかとても安らかなものから
僕らは守られた。


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日記才人