short story


2003年01月05日(日)


「失うこと」


ただ笑い合い
足りないものを補うように
共に時間を過ごすことは
僕が考えていたよりは複雑で
そして残酷だった。
軽々しく求めることは
それなりの代償を伴って
僕から大事なものを奪う。
それを引き止める場所に僕はいなく
力もないのは
自分で招いた種であるが
選択肢のない道の真ん中で
戻る事のないあの頃に
思いを巡らす。
だっていつだって僕は
こんな結末を望んじゃいなかった。
失うのは耐えられないこと。
今はただ
誰も僕を知らない世界へ行きたい。
そこならばもう
失うことはないかもしれない。


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日記才人